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屍姫 赫/屍姫 玄 NEWS/SPECIAL SCHEDULE STORY STAFF/CAST
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アニメーションというメディアの中で、いかに『屍姫』の世界を表現していくのか――。
この難問に挑む、むらた雅彦監督を直撃取材! およそ1時間にわたり、屍姫たちに対する想いやアニメ版への意気込みや、制作スタッフを語っていただきました。
原作や屍姫たちに対する想いや、アニメの制作方針はもちろん、設定上の小ネタや「アニメでも、マキナのスカートは鉄壁なのか?」などなど、気になるアレコレに答えていただきました!
――初めて原作を読まれた時の感想を教えてください。
読まれた人の多くが第一印象にあげると思うんですけど、バイオレンスというか血生臭い刺激的な描写が結構ありますよね。 そこが「面白いけど、アニメにできるかな?」と気になったところですね。
マンガだと基本は白黒なのでまだソフトな印象も受けるんですが、アニメではカラーの上に動画なので、より表現は生々しくなるだろうし……近年の様々な問題も考えると「ちょっと危ないかな?」っていう心配はありました。 ただ、個人的には「あ、この作品いいな。やれるならやりたい!」と思ってました。
――実際に映像化するにあたり、そういった要素はどこまで描かれていくのでしょうか?
マキナたち屍姫が傷つけられながらも勇敢に戦っていく、っていうところは絶対に描きたくて。 「見ててちょっと痛々しいな」という部分を、なんとか表現しようと思っています。 血とかを出さないというよりは、量は抑えながらも、傷つけたり傷つけられたりする痛みが見ている人に伝わるようにって感じですね。 ギリギリの所で押し切ってというか(笑)、表現していきたいと思って、試行錯誤しながら毎回がんばっている所です。
――原作者の赤人義一先生とは、アニメ化に当たってどんなお話をされましたか?
色々お話させていただいたんですけど、まずは光言宗の複雑な人間関係についてですね。 景世たちお坊さんには階級、位があるので、その辺りの立場の違いは、今でも確認させていただきながら作ってます。 バイオレンスな描写についても、スプラッタ系なのか恐怖系なのかとか方向性をお聞きしましたね。 そこでアニメは音響もふくめ、じわじわと恐怖を伝えるという形になりました。
あとは……「足は大事に」「スカートは鉄壁!」とか(笑)。
――原作ではマキナ中心で物語が進行していますが、アニメはオーリの視点で物語が進んでいきますね。アニメで視点を変更した理由は何なのでしょうか?
視聴者と年齢も立ち位置も近いであろうオーリの視点から、現実とはちょっと離れたマキナたちの世界にだんだんと入っていく感じにしたいと思ったからです。 すんなり作品の世界に入れる、そういうスタートにしたいな、と。 彼と一緒に、屍の世界を知っていってもらえたらと思います。
――キャラクターデザインとは別に「シカバネデザイン」のスタッフがいらっしゃる点も気になります。
「マキナの描写をカッコよくするには、どうしたらいいんだろう?」と考えた結果、原作とは違ったデザインの屍を描くことになりました。 アニメは動く分、どうしても人型の屍との戦闘は、リアルさだったり過激度が増すと思うんですよ。 それによって、生々しさばかりが前面に出て作品のイメージ自体が変わってしまうのはイヤだったんです。 ですから、屍を人間型ではなくモンスター的なデザインにすることで、作品のイメージを壊さず、純粋にバトルの面白さをお客さんにも楽しんでもらえるのではないかと思っています。
あと、基本的に屍は何か心残りがあって死んでしまった人がなる訳ですけど、その未練って一人一人違うじゃないですか。 その未練の内容に応じて、屍にバリエーションを持たせたいと思ったことも、シカバネデザインのスタッフを置いた理由のひとつですね。
――その屍と対峙する、自らも死者でありながら成仏するために戦う屍姫という存在については、どんな想いを抱かれましたか?
実際にありそうな、あってもおかしくないような話というか。 非現実的ではあるんですけど、幽霊みたいな形でその辺にいそうな気がしてきますよね(笑)。 自分自身、屍姫という存在に対して、同情っていうか共感する部分もあるし……。 彼女たちの生前の想いとか、未練をもったまま死ねないでいる「はかなさ」を、物語が進むごとに追っていければと思ってて。 脚本の會川さんにお願いして、マキナだけじゃなく、それぞれの屍姫にスポットを当てたお話をつくってもらってます。
――彼女たち屍姫を描く中で、どのような部分を意識したのでしょうか。
ビジュアル的には「生きている人たち」「屍姫」「屍」と、それぞれコンセプトを決めて、肌の色とか目の描き方を変えています。 屍姫たちは、色素を薄めた感じで、とか。
心情面では、常に本人が「私はもう死んでいて、屍になったんだ」と自覚していて、だけどそれでも戦っていかなければならないという葛藤の部分ですね。 そこは個々の想いを出していきたいところです。 あわせて景世たち契約僧に関しても、自分たちの行いを理解した上での屍姫に対する想いだとか、そういった彼らの胸中も描いていきたいなと。
――心情の描写というと、第3話でマキナがオーリに向かって「私は、人間じゃない!」と言い切るシーンは印象的です。
マキナもただ単純にオーリに好き勝手言ってるわけではなく、セリフの裏側にひた隠している想いがあって……。 それは音響監督の三間さんにすごく気にしていただきながら、アフレコしています。 「人間」ではないけど、まだこの世にとどまっていて……かといって、自分の思っていることを行動にできない。 そういう彼女たちのやりきれなさや切なさを、言葉の裏から端々からも感じ取ってもらえたらと思ってます。
――今後の展開の中で、マキナが心情を表に出したり、普通の女の子っぽい表情を見せてくれることはありますか?
基本、屍姫は喜・楽といった感情は薄くなっていて、使命を全うして成仏したいという想いが強いんですよね。 なので、逆に笑顔のシーンに入れることで、激しく戦っている時の鋭い表情が活きてきたらと思っています。
オーリ視点からマキナへと移っていく所では、眼光鋭い顔つきだけじゃなく、ほっとする表情もお見せできるんじゃないかと。
――ちなみに、お気に入りの屍姫はいますか?
うーん、誰か一人って選べないですね。……個人的な外見の好みはありますけど、まあ、ストライクゾーン広いので(笑)。
屍姫といえば、原作の読み切り版に登場したアキラも、アニメでは早い段階から出てきますので、ファンの方は楽しみにしていてください。
――話が前に戻るのですが、赤人義一先生とお話ししたというマキナのスカートの描写は? 原作通り、やはり鉄壁ですか?(笑)
キャストの方をはじめ、結構気にされてる方もいらっしゃるんですけど……(笑)。
はい、鉄壁は押し通します!
――それと、原作ファンの方にはおなじみの魔法少女「ZENBU NOSE」は登場するのでしょうか!?
『屍姫 赫』の作品内に存在するアニメのキャラクターとして、ちょろちょろっとポスターとかフィギュアが登場します。 本心なのか演技しているのか分からないんですけど、景世がオーリに押しつけがましく勧めていくので(笑)、そういうシーンもありますね。
他にも、原作にある小ネタは、隙間があったら入れたいです(笑)。
――それでは最後に、ファンの方へのメッセージをお願いします!
原作を未読の方でも、すんなりと作品の世界に入れるようになっていますので、予習なしでアニメを観ていただいても全然大丈夫です!
また原作のあの独特な雰囲気を大切に、アニメならではのアレンジや要素が詰まっているので、原作ファンの方にも楽しみにしていただけたらと思います。
屍姫をはじめキャラクターがたくさん登場しますし、屍のバリエーションもあって、あきない作品になっています。期待しててください!
作品への想いをたっぷりと語ってくださった、むらた雅彦監督。 まじめ一辺倒だけでなく笑いをおりまぜてのコメントに、なごやかな、にぎやかな雰囲気でのインタビューとなりました。 途中、盛り上がりすぎて脱線する場面もちらほら(笑)。
また、多数の「お楽しみ」がスタンバイしていることも発覚……!広がり深まりゆく『屍姫 赫』の世界に、どうぞ期待ください!!
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(C)赤人義一/スクウェアエニックス・屍姫製作委員会
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